業界問わずWEB面接を導入する企業が増加しています。派遣会社では特に求職者の取り合いが発生しており、WEB面接を導入することで応募者は気軽に面接を受けやすくなります。採用の効率性が高まるだけでなく、結果的に応募者増加や便利なツールを取り入れていることから企業のイメージアップにもつながるでしょう。
このページでは、そもそもWEB面接とは何か、どのように行うのか、メリットやデメリットは何か、といったことを解説していきます。
1.WEB面接とは
WEB面接とは、パソコンやスマホ(スマートフォン)を利用して、インターネット経由で面接する形式のことです。詳しくは後述しますが、物理的、時間的にメリットがあるだけではありません。
そもそもなぜここ数年でWEB面接が一般化してきているのかというと、インフラ環境が進化したからです。インターネットを利用したビデオ通話のシステム自体は10年以上前から存在し、プライベートで利用していた方も多いでしょう。
友人や家族との通話、社内ミーティングなどでの利用はここ数年で始まったものではありません。たとえばSkypeが最初にリリースされたのは2003年8月なので、すでに15年以上経過しています。
リリース間もない頃から日本でも積極的に活用されていました。しかし、初期の頃は回線が不安定という問題があり、WEB面接で使用するのは難しかったでしょう。WEB面接では企業の担当者と応募者が面接の時間に合わせて準備し、時間を割いています。
お互いのためにも最適な環境で面接すべきなので、通信が不安定だと面接には使えません。プライベートな会話や社内ミーティングくらいなら「通信が不安定だからまた後で」が通用しますが、面接となるとさすがに気軽に先延ばしできるものではないからです。
以前は、通信が不安定な環境でWEB面接するくらいなら、直接会って面接した方がお互いにとってメリットが多い、といった状況だったのです。もちろん企業の対応が臨機応変になり、そもそも面接に対する考え方が変わった、という理由もあります。
面接に対する価値観の問題もありますが、一番の理由はインフラ環境です。ここ数年で、ようやくフリーズや音声が遅れる等のトラブルなくWEB面接できる環境が整ってきました。加えてスマホ(スマートフォン)の普及等の影響で多くの人が利便性や効率性を求めるようになりました。
ショッピングや恋人探しもネットで行われる時代なので、面接に対しても便利さや効率性が追及され、環境も整っているので結果的にWEB面接は急速に普及しています。
今後もより一層WEB面接が普及していくと考えられ、会場に集まるよりもむしろWEB面接の方が一般的になっていくのではないでしょうか。
2.WEB面接の心得
まずWEB面接に使用するツールですが、企業オリジナルの専用ツール、Skype、Chatwork、Facebook、LINE、Zoomミーティングなどが挙げられます。比較的個人対個人のような軽い面接だとSNS等でそのまま通話するケースもありますが、企業と応募者が面接する場合はSkypeやZoomミーティングや企業オリジナルの専用ツールが使用されることが多いでしょう。
そして面接の方法はいたってシンプルです。指定時間に合わせて両者がパソコンやスマホ(スマートフォン)の前にスタンバイし、WEB通話で面接を始めます。ヘッドセットの使用についてはどちらでも問題ありません。
外部に音が漏れると困る場合や、パソコンにマイクが付いていない場合は使用します。
外部に音が漏れると困る場合や、パソコンにマイクが付いていない場合は使用します。細かいマナー等は複数ありますが、WEB面接ならではのものとしては企業の担当者も応募者も背景に映るものには注意した方が良いです。
背景に何か映ったらNGというわけではありませんが、マナーとしては証明写真のように背景には壁だけ映るのがベストでしょう。
基本的なことですが、WEB面接でのマナーについてまとめると以下のようになります。
企業の担当者からすると当たり前のことかもしれませんが、担当者も応募者も共通の内容です。
・服装
スーツ、もしくはカジュアル過ぎない私服(服装については会場で面接するときと同じで、会社の方針等によります。あえて応募者の個性を試すために服装を指定しないのも一つの手ですが、ある程度指定してあげた方が親切かもしれません。)
・カメラの位置
明確なルールはありませんが、基本的には正面にセットします。真正面ではなく少しずれていても問題ありません。目が合いすぎても合わな過ぎても印象が悪いので、適度にカメラを見るようにしましょう。
・接続状況やマイクについて
万が一のトラブルを考慮し、事前にテストしておいた方が良いです。自分の声が入っているか、接続状態が安定しているか、といった確認をしておきましょう。またカメラについても映りを確認できるので、試しておくことをおすすめします。
・メモやカンペを用意しても良い
カンペを下に置くと下を見て話すことになるのであまり良くないですが、パソコンの画面やキーボードの上にカンペを置いておくことができます。また画面分割やデュアルモニターでパソコンの画面上にカンペやメモを用意しておくことも可能です。これはWEB面接ならではです。
他にも通話ソフト以外が動作しないように閉じておく、電話が鳴らないようにする、など基本的なマナーはあります。
担当者も応募者も慣れないうちはWEB面接に対して不安や緊張があるかもしれませんが、まったく難しいものではなく、何回かこなせば便利さに感動するかもしれません。
3.WEB面接のメリット
WEB面接のメリットとして以下のようなことが挙げられます。
・物理的に集まる必要がないので応募者の負担軽減になる。
・物理的に距離の離れた地域、場合によっては海外にいる人とも面接できる。
・面接の様子を録画できる。
・メモ書き等を見られる
一つずつ説明していきます。
3-1.メリット①応募者の負担軽減
WEB面接は応募者からすると自宅などで面接を受けられるため、負担が少ないです。直接企業に赴くとしても、面接場所が自宅から近ければそこまで大きな負担にはなりません。しかし、遠隔地に住んでいるケースもあるでしょう。
たとえば30分の面接のために何時間も掛けて会場に向かい、また移動距離が長い分、遅延等を考えて早めに家を出なければならないかもしれません。これだと応募者の負担が大きくなり、応募したくても躊躇してしまう可能性もあります。
そこでWEB面接を導入すれば、応募者の負担が減り、結果的に応募数が増える可能性もあります。数年前までは遠隔地の人のみWEB面接可能とするような企業も多かったですが、現状はWEB面接が普及してインフラ環境も整っているので、近場でもWEB面接可能にしている企業が増えています。
応募者の負担を考えると、WEB面接がベストなのかもしれません。
3-2.メリット②離れた場所の人と面接できる
上記で説明した内容と重複しますが、単に負担が増えるだけでなく、そもそも面接地へ行くのが不可能なのでは意味合いが異なります。不可能とは言わないまでも、たとえば現在は海外に住んでいるが日本の会社の面接を受けたい。
面接のために一時帰国するのは厳しい、といった方もいるかもしれません。さすがに短時間の面接のために飛行機に乗るのは厳しいものがあるでしょう。そんなとき便利なのがWEB面接で、現在のインフラ環境なら国をまたいでいても回線は安定しています。
実際、私自身アメリカ、ヨーロッパ、インド、東南アジア、といった国々にいる人と面接やミーティングを行った経験がありますが、回線がしっかりしていれば国内にいる相手と通話するのと遜色ない安定性でした。
実際は微妙に時間差があるのかもしれませんが、気付かない、もしくは仮に気付いたとしても気にならない程度です。テレビ中継などでも海外につなぐとなんとなく動作にタイムラグがあるように感じることがありますが、その程度です。
3-3.メリット③面接の様子を録画できる
あまり知られていないメリットとして、オンライン面接の様子を録画できるというものがあります。面接会場で面接している場合も録画が不可能ではありませんが、WEB面接の場合録画開始のタイミングを面接開始と合わせることが可能で、またパソコンの画面をそのまま録画するので応募者の表情などもよくわかります。
面接を行った担当者が録画を見返すことはあまりないかもしれませんが、例えば、社内の他担当と共有することも可能です。会話の内容や応募者の様子を完璧に見ることができるため、よい合否の判断材料となりますし、より多くの担当者と合否を決める事ができます。
3-4.メリット④メモ書き等を見られる
これはどちらかというと応募者側のメリットかもしれませんが、面接中にメモ書きを用意しておき、相手にわからないように見ることができます。企業の担当者も同様となります。
また、紙媒体で用意するのが手間に感じる場合、画面分割やデュアルモニターで表示したり、面接中にメモを書き残すこともできます。面接中にタイピングしてメモを残すことには賛否両論ありますが、タイピングをうるさくやりすぎなければそこまで問題にはならないでしょう。
面接の様子にもよりますが、タイピングでメモを取りたい場合相手に一言断って、音を余り立て過ぎないタイピングであれば良いかと思います。
4:WEB面接のデメリット
WEB面接のデメリットを挙げてきましたが、次にデメリットとしては以下のようなものがあります。
・判断できない項目がある。
・通信トラブルや人為的ミスが発生する可能性がある。
それでは一つずつ説明します。
4-1.デメリット①判断できない項目がある
WEB面接でも相手とコミュニケーションを行うことができますが、企業の担当者は応募者の全身の服装、体型、立ち居振る舞いを見たいかもしれません。特に営業職などだと、スーツのトータルコーディネートや靴、痩せすぎや太り過ぎでない、姿勢が良い、といったことがある程度重要になります。
また入退室の動作なども確認したいかもしれません。WEB面接でも顔や上半身はだいたい見えますが、立ったときの姿勢や細かい体型や動作まではわかりません。こういった点を重要視する場合、WEB面接では測れない部分があります。
しかし、よほどの問題がない限りは会話でのコミュニケーションの方が重要かと思うので、WEB面接の利便性を考えると比較的小さなデメリットかもしれません。
4-2.デメリット②通信トラブルや人為的ミスが発生する可能性がある
上記で説明した通り現在インフラ状況は整っており、回線がパンクするようなことはほぼありません。しかし稀に遅くなる可能性もないとは言えないでしょう。それより大きな問題としては、人為的なミスです。
たとえば、応募者がツールの使い方に慣れておらず面接が始まらない、面接中に誤って接続を切ってしまった、といったことです。企業の担当者は何回かWEB面接をすれば慣れてくるのでこのようなミスはあまりしないかと思いますが、応募者はWEB面接に慣れていない可能性があります。
WEB面接に対して必要以上に緊張したり、トラブルによってパニックに陥り、面接がうまくいかないかもしれません。このような問題はありますが、それも含めて企業側が判断することができ、また応募者の多くはそこまで苦戦せずにWEB面接できるかと思います。
非常に限定的なデメリットではあるので、WEB面接の利便性を考えると小さなデメリットです。
5:WEB面接 まとめ
WEB面接の概要やメリット、デメリットなどについて解説してきました。メリットもデメリットもありますが、利便性、効率性などのメリットの方が大きいと言えます。大きなデメリットがあるとすれば応募者を生で見られないこと、応募者からすると生で会社を見られないことでしょう。
しかし重要なのは会話の方なので、WEB面接でも十分に人となりや業務能力を判断することはできるかと思います。利便性、効率性を考えるとWEB面接は優れたツールで、企業にとっても応募者にとってもメリットがあります。
またこれからの時代インターネットの活用はますます加速していき、企業にとってインターネットの活用はもはやマナーや常識とも言えます。必ずしもWEB面接を取り入れなければならないわけではありませんが、WEB面接がないことについて「いまどきWEB面接もやっていないのか」「似たような会社ならWEB面接を取り入れている会社の方が柔軟性に優れており、働くうえでも環境が良さそうだ。」といった感想を持つ応募者がいてもおかしくはありません。
むしろそう思うのは自然でしょう。特に若い労働力を求めている場合、新しい便利なものを取り入れることは単にコストパフォーマンスが上がるだけでなく、それ自体が企業のアピール、魅力アップにつながります。
利便性、効率性が好まれ不便さ、非効率さが嫌われる時代なので、便利なものを取り入れて企業価値を高めるべきでしょう。WEB面接を取り入れることで、人材確保のコストパフォーマンスが上がることはもちろん外部から見た企業の印象、企業価値もアップします。
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